2013年御翼12月号号外

悪性脳腫瘍のネイサン・ノーマン君を励ます全米警察官からのクリスマス・プレゼント

 五歳のネイサン・ノーマン君(4人兄弟の3番目、2006年12月28日生まれ)は、悪性脳腫瘍を患い、脊髄にまで転移していた(2009年1月、1歳で脳腫瘍が見つかる)。2012年9月、一旦退院した際、気分がすぐれないネイサン君は、クリスマス・ツリーとイルミネーションを出してくれたら、元気が回復するかもしれないというので、両親はまだ九月だというのに、家の庭にクリスマスの飾りつけをした。最初はとまどった近所の人たちも、事情を聞くと、手伝ってくれたり、自分たちの家もクリスマスの飾りつけをして、写真を送ってきてくれたりした。そして、九月だというのに、毎日二〜三十通のクリスマスカードが届くようになる。中には一ドル札が同封されたりしている。ネイサン君はそれを、がんセンターに入院している他の子たちのためのクリスマス・プレゼントにと寄付していた。見知らぬ人たちから届くクリスマスカードによって、ネイサン君の信仰は強められ、どんなことにも直面する勇気が与えられているという。「もしネイサンが、クリスマスの飾りつけを一年中出しておいて欲しいというのなら、そうするかもしれません。なぜなら、毎日がクリスマスのようであるべきだからです。つまり、いつでも私たちの心の中に、クリスマスの精神を持っているべきなのです」とネイサン君の父親ボビーさんは語る。(クリスマスの精神=愛と希望を分け合う)
 クリスマスと誕生日を控えたネイサン君が語った一つの願いは、「憧れの警察官からクリスマスカードをもらうこと」だった。その願いを聞いた両親は、地元警察の数人からクリスマスカードをもらえれば十分だと思い、申し出てみた。しかし、このネイサン君の願いを聞いたヴァージニア州警察のロバートさんが、州内に勤務する全ての警察官に、「直接届けたほうが良いのでは」とメールを送った。これが思いもよらない事態を呼ぶこととなる。二○一二年十二月二十日、病状は刻一刻と悪化し、リビングのソファでぐったりと寝ていたネイサン君を、一人の警官が迎えにくる。警官にエスコートされ近所のリバティー大学キャンパスに着くと、ネイサン君が見たものは、なんとマサチューセッツやニューハンプシャー州にある八五の署の警察官たちが州を越えて百台のパトカーに乗って駆け付けていた。しかも、警察車両すべてが赤色灯を点滅させていたので、その行列は壮大なクリスマス・イルミネーションとなっていた。警察官の数は二百五十人以上、中には彼と同年代の子どもを持つ親も少なくなかった。
 ネイサン君は、カード以外にもツリーなど多くのプレゼントをもらい、兄弟と一緒に大喜びした。整列する警察官たちの前に家族と立ち、「敬礼」や「片足ジャンプ」といった命令を出す司令官役も経験できて、最高の一日を過ごした。大好きな人から応援されれば、誰だって今まで以上に勇気が与えられる。贈られたプレゼントは、ネイサン君の意向で、同じ病で苦しむ他の子たちに寄付したという。(フジTV「奇跡体験!アンビリバボー」二〇一三年一月三十一日より)

 「ネイサンに恐くないかと聞くと、『ううん、神様が一緒だから』と彼は答えます。ネイサンの姉が、『もうすぐイエス様に会うかもしれないと思うと恐い?』と聞いていました。母である私としては、まだイエス様には誰も間見えないわよ。皆、ここにいるべきなの。私たちは年を取ったらイエス様に直接お会いするのよ、と言いたくなります。しかしネイサンは、『イエス様にお会いするのは恐くないけど、お父さんとお母さんと会えなくなることが寂しいんだよ』と言うのです。母親として、神が選ばれたこの道を嘆き悲しむことは事実です。今は涙を流さない日はありません。でも、前に進み、毎日を楽しむようにしなければなりません。今、持っているもの、分かっていることを楽しむのです。そして、今与えられていることは、九月なのに、クリスマスが訪れているということです。ある人たちは、ネイサンはがんに侵され死につつある、と言いました。しかし、彼は死に向かってはいません。彼はがんと共に生き続けていて、薬が効かなくなったら、どんなこ
とになるのか私たちには分かっています。神が息子を癒さないと選ばれるのなら、どうなるのか分かっています。しかし、彼は毎日を最大限に生きていて、その一瞬一瞬を楽しんでいるのです」と母のダーンさんは言う。

 子どもだからこそ、素直にイエス様を救い主として受け入れ、天国に入れて頂けることを信じているネイサン君、そしてその両親である。自分の死を恐れたり悲しむのではなく、両親を気づかい、がんに苦しむ他の子たちに贈り物をすることができるのは、「イエス・キリストは主である」と告白することで、永遠の命(神の子としての命)を与えられているからである。  

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